なな色のお話達

思いついたままに

〜いつメンの集まる土曜日〜


チリンッ🕛

👩🏼👧🏻「いらっしゃいませー」

🐺「み、、みずを、、」

フラフラしながら目を細めてなだれ込む様に
カウンターに座る。

座った瞬間には両腕をテーブルにのせてそこに顔をうずめる。

👧🏻「ぷぷっ」

🐺「わたくし、、もう、、飲めません。」

👧🏻「はい、お水」

ネネが出したお水をゴクゴクと一気に飲む。

🐺「もう、一杯、下さい、、、」

プルプルしながらグラスを差し出す。

🐼「おっ、タッキー」

👲🏼「ハハハッとーしたの?!笑」

先に来店していたトクちゃんとウラさんが声をかける。
トクちゃんもウラさんもそれぞれ会社の飲み会が終わり、一人で来店したところだった。

土曜日は週末で一週間の中で最も来客数が多い日。
20時のオープンから21時にはほぼ満席になり、0時前後に入れ替わる場合が多い。

週末の店内は満席の場合が多く、その場合に来店されたお客様には席が空き次第に連絡を入れて、再来店してもらあこともある。時間によっては、「またくるよ。」と帰られる方も多い。
しかし、不思議なことに常連さんは席が空いたタイミングでうまく一人一人席を確保しているかのように来店する。
そして、その時はうまく席が予約も入ってなく空いている。

タッキーはそれがほとんどうまくいっており、
入店できなかったことがない。
しかも、電話予約もなしに。

🐺「もう何をどれだけ飲んだのかもわかりません。」

スーツ姿でカウンターにうなだれているのは、
ジャニーズには到底縁のなさそうな
見た目からしても真面目なメガネ。
タッキー🐺。
28歳独身。銀行の営業マン。
真面目でお堅い雰囲気を演じているようだが、
ココでは完全にどMのイジラレキャラだ。

トクちゃんが席を立って2つ離れた席のタッキーに乾杯をしようと席に寄る。

🐼「まぁまぁ、そうおっしゃらずに
一緒にサイコロでもやりながら飲みましょうょぉー。はい、乾杯!乾杯はもちろん…?!

タッキーは顔をパッとあげて、
🐺「か、勘弁してくださいよぉ〜」

嫌だけど、嫌ではない笑みを浮かべながら
水で乾杯をする。

🐼「ん!?それ、水ですやん!
はい、コッチ。」

トクちゃんが自分のグラスを差し出す。

🐺「か、勘弁してくださいよぉ〜」

👩🏼「ちょっと休憩よね。少し待ったらやれるよねー。」

フォローに入ると、助かったと言わんばかりに、また顔をうずめる。

ウラさんがその光景を見てケラケラ笑っている。

🐼「なーんだ、タッキーおもしろくないなー。」

トクちゃんも少し酔っているせいか、あおる。

チリンっ

👩🏼👧🏻「いらっしゃいませー」

😽「らーらーちゃーん❤️
ネーネーちゃーん❤️」

いつもハイテンションなおじさん
みーくん😽。
53歳。バツイチ。
👲🏼ウラさんと部署は違うが同じ会社。

👲🏼「光岡さん、おつかれさまです。」

😽「おぅ、ウラにトクちゃん、今日もきとったんか!
あら?!
タッキー!!!」

ゆっくりしたいが、出来ないタッキーに
さらなる追い討ちが掛かる。

タッキーは声でわかったが、顔を伏せて
気づかれないようにしていたのか、気力がなかったのかはわからないが、
すぐにみつかった。

そして、隣にみーくんが座ると言う悲惨な日。

😽「おーい、元気かー?!どーした?!
飲み過ぎか?!
んー!!今日もららちゃんとネネちゃんはかわい〜ねぇー!!ホッペタ触らせてぇ〜!!」

声が大きい上にテンションがいつもより
高い。飲み過ぎのタッキーには
頭にも響くであろうと思うのもつかの間。
みーくんが揺さぶる。

😽「おーい、タッキー!!」

ネネがフォローに入る
👧🏻「みーくんキープでいーの?」

😽「ネネちゃぁ〜ん❤️今日もやっぱり
かわい〜なぁ〜❤️ビールビンで一緒に乾杯しよぉ〜」

f:id:nanairo-38:20151105181515j:image

ビンビール。生ビールとまた味が少し違う。
飲まない人にわかりやすく?言うとすれば、
ペットボトルに入ったコーラと缶に入ったコーラといった感じかな? 
人とつぎあってシェアして飲めるので、少しだけ飲みたい時は、一緒にビンビール飲みませんか?と誰かを誘うのがオススメ。
人と人を繋ぐ冠婚葬祭の席などではほとんどがビンビール。

👧🏻「いただきまーす!今日はバタバタして全然ゆっくり飲めなかったから、もう今から仕事しないでゆっくり頂こう!」

👲🏼「おいおい、まだ俺たちがおるけど!」

みんながいつもの笑いになる。

チリンッ

🐧「こんばんわ、皆さんお揃いですね」

👩🏼「今日はパチンコ?遅かったね」

よしくん🐧。
28歳独身。こちらもオタクな雰囲気をか持ち出したメガネ君。ウラさんとみー君とまた部署は違うが同じ会社。最近彼女が出来たが、騙されているのではないかと不安に思っている。

みんなにペコっと頭を下げてみー君とトクちゃんの間に座る。

カウンター席順
🐺😽🐧🐼👲🏼

BOXの団体さんはカラオケをずっと歌っているので、お酒を作る時以外は放置。たまに、ゴールデンボンバーや湘南の風の様な踊りのある曲は一緒に踊る。

その時はカウンターも一緒に乗ってくれるので、店が一体化。

カウンターの奥の席では、会社の飲み会から解散して3人でさらに熱いミーティングをしているので、口を挟まない。そっと見守る。
カラオケのスピーカーの音は、そこだけ小さくしている。
お酒を作る時以外は放置。

🐧「あれ?タッキー、珍しいね。
みなさん、おつかれさまです。」

みんなでもう一度乾杯。

😽「よしぃ〜、お前、この間見たよぉ〜。
彼女が迎えに来てただろぉー。会社の入り口のとこ!」

🐼「えー、いーなぁーお迎えきてくれるんやぁー」

今日は1番まずい席に座ってしまったよし君。
いきなり、両サイドに絡まれる。

🐧「あー、なんか最近お弁当まで作ってくれるようになったんですけど、本当に大丈夫なんでしょうか?」

👲🏼「ハハハッ、なんで?お弁当に毒が盛られてるとか?」

🐧「いや、なんで僕なのかなーと。

みんなが、フォローする言葉を探しているかのように一瞬静かになる。


😽「わははっ自信持てー!!」

みー君の堰を切ったような大声にまたみんなが爆笑する。

ここにくれば誰かがいる。
そう思って1人でくる常連さんは多い。

仕事もプライベートも関係なしに飲み友達としてココで付き合う
いつものメンバー。

のちにアルバイトで入る「おーちゃん」
と言う女の子が付けたあだ名。

いつものメンバー、略して

“いつメン”

一人一人個性的でそれぞれのSTORYを後ほど…




























〜土曜日の朝は精神統一〜

あの時、あーすればよかったかな。

こーすればよかったかな。

なぜ、こんな風になってしまったのか。

悔しいし淋しいし悲しい。…



と、グルグル連鎖に入ってしまった時。

お師匠様に頂きました。


『その時、その行動をとったのは
その時の自分にとって、
最善策であったではないか。

それで良しと、判断したではないか。

だから自信をもちなさい。

今の結果になったことでの、
他人の意見や態度や言動に惑わされて、
自分が迷ったり流されそうになったり
一緒になって同じような態度を返すと、
結局、自分も同じではないか。

そうではないと、思いたいのなら
そうなりたいのであれば、
自分の決断に自分の考えに
自信をもちなさい。 

今、考えることはそこではない。

もうすでに前にしか進んでいない。

今は次のステップである。

コレはまた一つ勉強になった
と、
心を改め感謝し

今を大切に生きるのである。』



もう、背筋がピシッとなりました。

ありがとうございます。

f:id:nanairo-38:20151104021003j:image

画像はGoogleよりイメージとして引用させて頂きました。
本人とは一切関係ありません。

〜若さの秘訣の金曜日〜


ガラガラ

👩🏼「ハリちゃん、おまたせー!
ママ、こんばんわ( ´ ▽ ` )」

👵🏼「あら、ママちゃん!相変わらず細いわねー。いらっしゃい。どぉーぞ。」

👴🏽「あ、急にごめんなぁー、好きなもん頼みー」

一つだけ空いている一番手前の席に座る。

ここはカウンター小料理屋「そろそろ」。

年齢不詳のママ👵🏼が1人で街から少し離れたところで営業している。
カウンターは“コ”の字型になっており9席、
本日の一品が数点カウンターに並べられている。

サラリーマンの常連さんや近所の年配の方で
いつもカウンターはいっぱいだ。
たまに近所の奥様達の女子会ならぬ井戸端会議も行われている。

お店のメニュー以外にも、その時の旬なものや冷蔵庫の中のものでササッと出てくる、
おふくろの味とママの寛大な雰囲気が
人気の秘密。

👩🏼「じゃぁ、チューハイのライムとシャケのホイル焼きを」

👵🏼「はい。あ、ママちゃんこの里芋は皮を手でむいてから、塩で食べてね。」

さっそく本日の一品が。
小鉢で出てきた、少し小さめの茶色い皮が
ついた里芋。
皮をむくと、ほんのり紫色でツヤツヤした白が顔を出す。熱いと言うよりホクホクした里芋。別皿で出された塩につけて食べる。

👩🏼「おいしぃぃーっ!!」

ホクホクした口を両手で塞ぎながら、
眉間にシワを寄せ、ハリちゃんに目で訴えかける。

👴🏽「よかった、よかった、好きなもん頼みー!
ほら、これもつまんで。」

ハリちゃん👴🏽年齢不詳。ネジ会社の社長さん。
毎週金曜日にご来店頂くのだが、一ヶ月に1回は急なご飯の誘いがある。
いわゆる“同伴”。
ハリちゃんは基本的に金曜日はこの店で食事をしているようだ。

私の自宅から、街へ行く通勤途中にあるので
電車を途中下車すれば寄れる。

👵🏼「はい、おまたせー。」

f:id:nanairo-38:20151103060019j:image

焼酎ハイボール」略して「チューハイ」。
元々は焼酎と別の飲料を炭酸で割っていたが、
最近の樽から注がれるタイプのものは焼酎ではなく、
基本的には蒸留酒で割るのがチューハイとなっている。

居酒屋に行くと、豊富なチューハイの種類にビックリする。

ビールをあまり飲まない私は一杯目をチューハイで乾杯することが多い。

👩🏼「いただきまーす」

すでに何杯目かになっている、ハリちゃんの焼酎とチューハイで乾杯。

その時、ハリちゃんの奥から視線を感じる。

ハリちゃんの隣のおじさん?おじいさん?がこっちを覗き込みながら、ハリちゃんの腕をポンポンとたたく。

👴「あんたぁー、こげな若いベッピンさん連れてええなぁ〜。ワシもこんなお嬢さんとご飯食べれたら、後20歳は長生きできそうやわぁ。」

ハリちゃんの背筋が少し伸びる。

👴🏽「そうなんですよ。
こんなじぃさんに付き合ってくれるから、
私もコレが楽しみで頑張ってますよ。
ハハッ

友達の友達は皆友達とは言うが、
こんな感じの常連さんの多い店は、年齢層が高いのももちろんあるが、なんだか安心感がある。

👴🏽「ららちゃん、俺ね。
最近また歩くことを始めたんだけど、昨日は家からイオンまで歩いて往復したんだよ。
まだまだ、ららちゃんとこに行きたいから健康でないとね!
こんなハリちゃん素敵でしょっ!」

👩🏼「へー!すごい!結構、距離あるよね。
何にせよ、目標があると頑張れるし健康の為にはいいよね!私も何かしないとな。」

ヨガをはじめたものの、場所の距離が遠くて行くのが億劫になりすぐ断念。

ランニングをはじめたものの、雨が続きやる気が下がり断念。

縄跳びがいいと聞き、買ったものの
おっぱいが小さくなると聞いて断念。

結局何も続かないし定まらない。
低迷中。

👵🏼「はい、お待たせ、ホイル焼き。
ハリちゃんね、ここでいつもららちゃんの話ししてるのよ。姉妹のこと凄く褒めてるわよ。
ねぇ〜ハリちゃん!」

👴🏽「だってハリちゃん一途だからね!
こんなハリちゃん素敵でしょ!
んでまた妹も面白いんだよ〜」

ママの出してくれたホイル焼きは、シャケにキノコがのっていて、美味しそうに湯気が出汁がたくさん出ていた。

少しフーッと息を吹きかけて、しゃけとキノコを一緒に口にすると、
フワっと香る優しい秋の味がした。

少し前に起こった嫌な出来事が、胸をモヤモヤさせていたけど、スッととれた気がした。

心にしみる季節の味だった。

👩🏼「ハリちゃん、この間ねちょっと嫌な事があったんだけどさ。なんか、コレ食べたら
もういいやって気持ちになった。
自分も良くなかったなと思うし。
今日誘ってもらって本当によかった。
ありがとう。」

ハリちゃんはフッと微笑むと

👴🏽「そうやって、反省する事が大事なんだよ。みんな、色んな事があるけどね、
大事なのは自分の気持ち。
よし、頑張ろうっ!と気持ちを切り替えるように芯をシッカリさせてること。
俺だってまだまだ毎日勉強だから。

何歳になっても
毎日勉強だと思っていると物事の見え方は 
きっと違って見える。

👩🏼「自分の捉え方次第だね。」

👴🏽「そう、嫌だなと思う事があっても、
それも楽しめる、それがあったからこそ!
前に進む。
そうやって毎日反省しながら、明日も
頑張る。
ハリちゃんは強気でいくよ!
こんなハリちゃんも素敵でしょっ!」

ホイル焼きのあまりの美味しさと
ハリちゃんの人生の教訓が
おもわず、

👩🏼「日本酒下さい、熱燗で」

オーダーさせていた。

金曜日だから控えめにしとかないと、
先は長いぞっと思ってはいたけど
まいっか、と
その場を楽しむ私であった。
 


プルプルプル

👩🏼「あ、もしもし、ネネちゃん?
もう少ししたら、お店に行くから
シルバーシート空けといてねぇ〜」

































〜同業の和の木曜日〜


チリンっ🕚

👩🏼👧🏻「いらっしゃいませ」

👩🏼「あら、お疲れ様。どうしたの?サボり?」

💂🏻「ママのところは相変わらず、入ってるねー。どこもガラガラだよ。この状況で2人でやってるんだから本当にすごいよ。店が暇すぎて心が折れたから、もう飲みに出てきたんだよ。」

空いていたカウンター席の真ん中に座ると、出したおしぼりで軽く手を拭く。

👩🏼「あ、さっきまでリュウが来てて同じこと言ってた。木曜日定休日にしよっかなって。
でもリュウの店はBARだから、今からの時間でしょって話してたんだけどね。」

💂🏻「え、じゃぁ店に居ないでもっと早くこっちに来ればよかったなー。リュウとも話したいことあったし…。後で行ってみるか。
あ、ビールで。それと、ママも手が空いたら飲んで。こっちは気にしなくていいから。」

👩🏼「ありがと」

f:id:nanairo-38:20151031131700j:image

生ビール。泡のきめ細かさも美味しさの一つ。
きめ細かい泡を出すには、サーバーの細かなお手入れとメンテナンスが必要。
生樽は開封してから3日目まで。
4日目以降は味が落ちる。
ビール党のネネが生には厳しい為、4日目のビールは注文が入っても「商品として出せるものではない。」と言うから4日目は振る舞い酒のようにしている。

夏が過ぎると、生ビールの出る回数が減りコストが高くなる為、7月〜10月までの期間限定にしている。

👧🏻「ママ、BOX計算です。」

👥「ママ、チェックゥ〜!!電車の時間だった!!」

カウンター席とBOX席のお会計が立て続けに入る。

👩🏼「はい、和田さん、ちょっと待てる?」

電車組を優先にお会計を済ませ、お見送りに出る。

👩🏼「お待たせ〜」

バタバタと私が店に戻ると、見送りに出ている間に帰られたお客様の席は片ずけてあり、次のお客様を迎える体制が出来ている。

BOX席もお会計を済ませ、団体様を見送る。

👬「また、ママとネネちゃんのAKB見にきます!!」
👬「俺も!今度、友達と来てもいいですか?」

👩🏼「ありがとうございます。是非⭐️
って言っても30歳のAKBはキツイでしょっ!!」

👱🏽「お前らちゃんと、金持ってくるんだぞっ!
ママ、こいつらがもし単体で来たら、俺のボトル出しといていいから。」

会社の飲み会はいつの時代も飲みニケーション。
一杯のお酒で深まることもある。

団体様を見送る時は、一番後ろを歩いている人が見えなくなってから上に上がる。

なるべく自分の見える範囲はお見送りしたいのが私のポリシー。

たまに、角を曲がるまで何度も振り返り手を振ってくる常連さんもいる。

急いで3階に戻ると、もうBOX席も片ずけてあり、ネネがカウンターのお客様と会話しながら
カウンターの下でグラスを洗っていた。

姉ながらアッパレ。

ネネは1人で、まだいらっしゃるお客様と会話しながら片ずけも終わらせようとしている。

👩🏼「ありがとー」

っとネネに言うと私は食器フキンで洗い終わったグラスを拭きながら、川田くんに話しかける。

👩🏼「じゃぁ、私もビールたまには頂こうかなっ」

💂🏻「どーぞっ。俺も、もう一杯頂戴。」

川田君💂🏻は近くのお店でスナックとラウンジを経営しているオーナー。
32歳独身。イケメンで気さくだから、女たらしでも有名。だけど、男性にも可愛がられるタイプ。

👧🏻「あ、山下さん!川田君のお店にかわいい子がいるよ!行ってみたら?」

川田君の一つ席を挟んで隣に座っていた山下さんに話を振る。

川田君は山下さんを見て、ペコッと頭を下げる。

🐸「ここ以外に浮気してもええんかっ!?そっちばっかり行くようになってもしらんよっ。笑」

関西弁でケラケラ笑うのは、山下さん🐸。
36歳。独身。バツイチ。
元々が兵庫県出身らしく、兵庫を離れてからは
長いけど、関西弁は抜けないらしい。 

🐸「ほらっはよ、飲め飲めっぃ」

ネネの空きかかったらグラスに瓶ビールを注ぐ。

🐨🐗「ママ、俺たちもソロソロ帰ろっかな。明日仕事だしっ。」

カウンターのトイレ側の端から座っていた2人。

ひこ兄さん🐨。36歳、既婚者。新婚さん。
物腰が柔らかく、ユニークなセンスの持ち主。

エッチャン🐗。ひこ兄さんの会社の後輩。
私の学生の時の友達の元彼が、エッチャンの親友だったと言う、遠からず近からずの同級生。

👩🏼「はーい、ありがとう」

布巾を置いて、会計をする。

ネネは洗っていた食器を置いて、慌てて端っこにいき最後の乾杯をして、飲みかけのビールを飲み干す。

👧🏻「あっ、ご馳走様ですっ
ひこ兄さん、カッちゃん、またねっ!」

🐗「おいっ!エっちゃんやっ!笑」

これは、毎度のご挨拶。名前をわざとネネが
間違えて本人が突っ込む。

カウンター席に座っていた全員がその光景をみて微笑み、笑う。

ネネのこういった愛嬌がアットホーム感を作ってくれているんだなっといつも思う。

ひこ兄さんとエッちゃんが席を立ちながら、
他のお客様に軽く会釈する。

🐸「またなっ!たっちゃん!」

山下さんが、さっきのノリにのっかって
初対面のエッちゃんに手を振る。
さっきまで隣に座っていたから、親近感も少しわいているようだ。

🐗「だから、エッちゃんやっ!!」

エッちゃんが照れ笑いしながら、頭をペコッと下げてお店から出る。

また、みんなが笑う。

👩🏼「いつも。ありがとうございます!」
お見送りのエレベーターの中で改めて言う。

🐨「ららちゃん、実はね、さっきネネちゃんには報告したんだけど、赤ちゃんが出来たんだ。」

👩🏼「あー!!おめでとう!!
奥さん、体大事にね!!
ひこ兄さん、パパになるんだね!!」

🐗「俺も早くパパになりたいなぁー」


今日も素敵なハッピーを分けてもらった。

2人を見送って空を見上げたら、ビルとビルの間に電線が何本も通ってて街が明るいからか、
空には星が見えなかった。
でも、明らかに私がお店に戻る足取りは
ルンルンだった。






























〜予感的中の水曜日〜


チリンっ…🕙

小さく入り口のドアの呼び鈴が鳴る。
カウンターのお客様が一斉に振り向く。

ふっと目をやると
微妙にドアが開いている。

ん?
またトクちゃんかな?

接客中のお客様に一礼をして、カウンターからドアに向かった。

中からは押すようになっているので、
押そうとしながら隙間を確認。

👩🏼「うわっ!!もう、ビックリしたぁー!!」

少しだけ開いたドアに顔をくっつけて、
こちらを見ている。
これは、だいたい毎回やる
トクちゃんのパターンなのだが
毎回ビックリしてしまう。
隙間から覗いているだけではなくて
鋭い目と独特な雰囲気が出ているから。

🐼「やっぱり…」

👩🏼「いらっしゃい、どーぞっ」

少しだけ開けてたドアから、一気に全開して
中に通す。

そう、トクちゃん🐼は横にも縦にも体が大きい。その上、坊主だから柔道部?とわかりやすい体系。33歳。独身。病院でリハビリのトレーナーをしている。

🐼「あ、お疲れっすっ。ウラさんじゃないすかっ。」

先に座っていたカウンターのウラさん👲🏼に挨拶をしてウラさんの隣に座る。

👲🏼「おっ、トクちゃん!おつかれっ!」

振り返り気味に挨拶をしながら、少し椅子を反対にずらす。

👲🏼「寒くないの?!俺、コレでも今日寒いのにぃー。」

チェックの長袖のシャツのウラさん。
半袖Tシャツのトクちゃんを見る。

👩🏼「聞くだけ無駄よっ。笑」

10月の後半の週から急に夜が冷えるようになり、シャツだけでは寒い気温になる。
…人それぞれだが、まぁ一般的に。

👧🏻「キープでいいですか?」

f:id:nanairo-38:20151031124824j:image

芋焼酎。当店の1番人気。
これは4合瓶で少し小さめだが、収納にも
カウンターの見た目にもこのサイズが丁度良いデザイン。

基本的に水割りで飲む方が多い。
私は特徴である芋の強い香りが苦手なので、
ウーロン茶割りにする。


🐼「うん。いーよ。
それが聞いてくださいよ、ウラさん。
去年の冬なんか
仕事の昼休みに用事で外に出たら雪が少し降ってて。
なんか俺、雪見るとワクワクしちゃうせいか
いつの間にか顔がニヤニヤしていたみたいで。
職質されたっす。」

👲🏼「え?それだけで?」

👩🏼「そんな訳ないじゃない。トクちゃんの制服半袖なの。その上、バイクで移動してたんだって。
雪の降る中、半袖の白衣でニヤニヤしながらバイクで走ってたら
絶対怪しい人でしょ!」

👧🏻「私、知らない人だったら二度見するねっ!
いや、知ってる人でも二度見するかっ!笑」

笑い上戸のウラさんが、ケラケラ笑う。

トクちゃんの飲み物をネネが差し出すと、
ウラさんと乾杯。

👧🏻「お疲れ様ですっ」

ウラさんから頂いていたビールをトクちゃんと乾杯する。

ウラさん👲🏼は工場の機会のメンテナンスの仕事をしている、36歳。独身。最近彼女が出来て、少し来店が減りつつある。

👥「ママ、お会計して。」

奥のカウンターのお客様が声をかける。

👩🏼「はい、ありがとうございます。
ご馳走様でした⭐️」

奥の席の前へ戻り、頂いていたウイスキーで
最後の乾杯をしてグラスを中を飲み干す。  

お会計を済ませ店をでて、
エレベーターで1階に下りる。

👩🏼「やっぱり、夜は寒いですね」

👥「昼間は暑いのに夜は寒いから、社内でも体調崩す奴が多くなってきてるよ。
ママも体には気をつけてね。」

エレベーターを降りてビルの出口まで見送る。

👩🏼「ありがとうございます。藤吉さんと中田さんもお体に気をつけて。今日は勉強になりました。またお話し聞かせて下さい。」

最後に深く一礼をすると、

👥「またくるよっ」

と手を挙げて、
ビルの前に乗車待ちをしているタクシーに
2人で乗り込む。

角から見えなくなるまで見送る。

…寒っ!!
やっぱり寒いわっ。

肩を縮めながらエレベーターで3階へ。


チリンっ

👩🏼「寒〜い!!」

両腕をさすりながら、店に入ると

👧🏻「怖っ!!」

と眉間にシワをよせたネネが私と同じポーズをしていた。

👲🏼「でたぁ〜。俺まじ無理ぃ〜、そういう話し苦手なんだよぉ〜。」

ウラさんも同じポーズになる。

もうスッカリ片ずけが終わっている
カウンターに、大きな背中のトクちゃんと小さくなったウラさんが2人だけになった。

👧🏻「ママに今日、話してたでしょっ
変な夢を見たって。
そしたらママが女の生霊だね。とか言ってたでしょ!
やっぱり、憑いてるみたい!!😱」

ネネの眉間のシワがどんどん濃くなってい
く。

🐼「今日なーんか、ネネの事が気になってね。いつもより強そうな奴だったから見にきたら
あー、やっぱり。って話。」

そう、トクちゃんは霊感のある人。
と言うより強すぎる人。
怖い話に出てくる定番のヤツには、ほとんど会っているらしい。
例えば、口裂け女とか。

リアル妖怪ウォッチもってるんじゃないかな。

ちなみに私は、ジブリの"千と千尋の神隠し"に登場する『顔なし』を見た事がある。

朝方ジョギングしているおじさんの後ろをスーッと着いていっていた。!(◎_◎;)



〜不動産業界の火曜日〜



昨日の雨が嘘のようにカラッと晴れた今日。
だけど、夜は10月ともなれば肌寒い。

チリンっ🕘

👩🏼👧🏻「いらっしゃいませ」( ´ ▽ ` )

火曜日のいつもの2人組。

ケラケラ笑いながらスーツの上着を脱ぎ、
カウンターの椅子の背もたれに掛ける。

👩🏼「今日は何を食べてきたの?」

おしぼりを手渡すと2人で揃って、
手と顔を拭く。

🐵「おでん!そこのライム酎ハイが
めっちゃ色が濃いくてメロンソーダみたいな色してるんだよ。笑」

🐭「あの濃いさは体に悪そう!笑」

ケタケタ笑いながら、シャツの袖を
まくりあげる。

👧🏻「お預かりしますねー。」

ネネがカウンターの中から出て
椅子に掛けた上着を取る。
壁に備え付けてある開き戸のクローゼットの中にハンガーで上着を掛ける。


🐵は通称“トニー”
モミアゲが濃い34歳独身。
住宅メーカーでマンションの設計などをやっている。
徳永英明のようなハスキーボイスで歌う。

🐭はトニーの先輩。通称“常務”。
こっちは小顔でお坊っちゃま顏の38歳。
本当は課長だが
うちでは、出世の願いも込めて
そう呼ぶようになった。
最初は否定していたが今はすっかり定着したあだ名になっている。
常務はトニーと同じ住宅メーカーだが、
営業担当。

👩🏼「キープでいい?」

🐭🐵「うん」

2人は白の緑茶割り。


f:id:nanairo-38:20151031094419j:image
米焼酎。色々な物で割って飲みやすいので、最近は芋焼酎からこっちに変える人も増えてきた。

ちなみに、紅茶花伝のストレートティなどで
わっても飲みやすく、焼酎が苦手な女性にもオススメ。

🐭「それが、トニーがそのおでん屋さんの女の子がかわいいって言うから今日行ってみたけど、結構可愛かった!笑」

🐵「でしょ!?笑」

トニーが常務の方へ身を乗り出す。

👩🏼「どこのおでん屋さん?」

👧🏻「またそんな話ぃ〜。笑
先週は餃子屋さんじゃなかった?」

25歳に呆れ顔をされている、おっさん。
といっても、まだ若い。

焼酎を作り終えて、前に置くと
2人はそれぞれのグラスをチンっと軽くあてると、一気に飲み干した。

お決まりの乾杯一気飲み。

🐵「あれ?!
オレ達飲み終わったのに、何で飲んでないの!?」

と、わざとらしくトニーは空になり氷だけになったグラスをカラカラと鳴らし、
私達にも一気飲みを促してくる。

👩🏼👧🏻「いただきまーす( ̄Д ̄)ノ」

お決まりのパターンに、もはや営業スマイルすら出ない返事。

しかし、乾杯は笑顔で。

お客様のグラスの底に左手をそっと添えて、
自分のグラスを
お客様のグラスの口元より下の部分に
少し斜めに寄り添うように、当てる。

改めて
「いただきます」
と言いながら笑顔で乾杯。

そして、一気に飲む。

常務とトニーは最初に一気飲みをしているので、口をつける程度にしか飲まない。

私とネネは同じ白の緑茶割り。

👧🏻「うげーっー!」

ビール党のネネは焼酎の一気飲みをして
すぐ本音がでた。笑

🐵「あっ!
ネネちゃん、今日はビール飲んでいーよ!!
常務が昨日パチンコで勝ったから、
気にせずバンバン飲んじゃって!!
明日は競輪で勝つから!笑」

👧🏻「え?!
まじで!ヤッタァー!!」

お言葉に甘えて、すぐさま瓶ビールを取り出してセンを抜く。

ネネは瓶ビールを常務に差し出す。
バラされた、と言わんばかりの顔で
トニーを睨み
ネネの持つグラスにビールを注ぐ。

👧🏻「いただきまーす!」

また乾杯をし直し
笑顔で一気にビールを飲む。

👧🏻「プハーッ‼︎
やっぱりビールはうまいね!!」

嬉しそうにビールを飲むので、
2人もつられて笑顔になる。

🐵「さて、いつもの始めますか!」

👩🏼「もう?!早くない?!」

🐵「だって、お客さんが増えてきたら
出来なくなるし。巻いて行こっ‼︎」

巻いて行こうと言う日は、だいたい次に行きたいお店が決まっている。
常務がパチンコで勝ったことをいいことに
本日は、はしごコース。

不動産業界は水曜日のお休みが多く、
火曜日が週末みたいなもの。

通常では金曜日や土曜日が混み合うこの商売
では、
平日の火曜日の常連さんは有難い。

そして、不動産業界は接待や会社の飲み会が多く、紹介制で当店を使っていただく事が多かったので最近の火曜日はお陰様で
割と忙しい。なので、こっちとしても得策だ。

👩🏼「では、いきますかっ!」

ギャンブル好きの2人がくると
毎回こうなる。お決まりのパターン。
勿論、一気飲みを賭けて。

ゲームのはじまり、はじまり。

チャリンっチャリンっ…

陶器で出来たどんぶりに
2つのサイコロを転がす。

最初にサイコロを振った人から
時計回りで順番にどんぶりを回していく。

「ジャンケンポンっ!」

常務のパーで1人勝ち。
(カウンターテーブルを挟んでの
順番🐭🐵👩🏼👧🏻)

常務はニヤニヤしながら、サイコロを振る。

どんぶりを覗き込んでいたネネちゃんが
目をグリッと開いた。

👧🏻「わっ‼︎でた!!」

サイコロはどんぶりの中で少し回ると
2と2が上に出ていた。

ゾロ目だ。

🐵「うわっ!やるぅー!」

2人はハイタッチをする。

👩🏼「一発目で!?さすが、昨日パチンコ勝ったから勝負運がキテるね!で、誰?」

常務はニヤニヤしながら、
意地悪な目をしてこっちを見ている。

🐭「ママでしょーっ!」

嬉しそうに私を指差し、手拍子を始める。

2人はニヤニヤして、
「グイッグイッググッグーイ♪」
とコールする。

私は、ハイハイと拗ねる様な顔をして
👩🏼「いただきまーす」

と言って
グイッと飲み干した。

👩🏼「くっそーっ!」

負けず嫌いは母親譲りのようで、
こうやって毎回ムキになってしまう。

このゲームは通称
"サイコロゲーム"
まぁ、そのまんま。

2つのサイコロを転がして、ゾロ目が出たら
振った人が飲ませたい人を指名できると言うもの。
ゾロ目が出なかった時は次の人に回す。
4人で立て続けにゾロ目が出る時もあれば、
7人くらいでやって、5周くらい回っても
ゾロ目がでない時もある。
やり出すとゾロ目がでた時の喜びと
指名されて飲んだ時の悔しさから
ついムキになって、気付けば
ベロンベロンになっていることが多い
危険なゲームだ。

指名された人から始めるので
次は私から。
(👩🏼👧🏻🐭🐵)

目をつむり念を込めて、振る。

👧🏻「あー。」

目を開かなくてもわかるような
ネネちゃんの早い反応。

ココで出たらやり返せたのにーっっ

次はネネちゃん。

👧🏻「えいやっ!!」

何かの儀式かのように
サイコロを握った手を左右に大きく振り、
気合いを入れて転がす。

👧🏻「あー。」

…出なかったのね。

次はまた常務の番。

時計回りに回しているので、本来ならば
常務の次がトニーの番でその次が
私の番といった感じで回っていくのだが、
先ほど常務が私を指名し私から始まったので、トニーはまだ一度も振っていない。

常務がまたニヤニヤしながら私とネネをチラッと見て

🐭「飲めーっっ」

と小声で言いながらサイコロをどんぶりに
手放す。

👧🏻「あっ‼︎またでた‼︎しかもピンゾロ!!」

ピンゾロとは、1と1のゾロ目のこと。
この場合のみ2人指名ができるお得な目。

🐵「イェーイ!!やるねぇー!!」

今度は両手でハイタッチ。

自分が出した訳ではないのにトニーもニヤニヤしながら私達を指差す。

👩🏼「いやいや、まだ2人って誰かわからないでしょっ!!」

トニーにツッコミを入れる。

🐭「じゃぁ、ネネちゃんとぉ〜…
ママー!!」

ちょっと、トニーを指す振りをして
やっぱり私を指差す。

ポーズはもはや"ゲッツ"の人。

からの2人で手拍子一気コール。

笑いながらではあるが、
くそーっと表情に出しながらネネとグラスで乾杯をし
また一気飲み。

2人指名された場合は時計回りで指名した人より遠い方から始まる。

よって、トニーはまた飛ばされて私から
スタート。
(👩🏼👧🏻🐭🐵)
















member's 「coa」

ここは、とある街のまぁまぁ小さな繁華街。

この話は
私が営むスナックを姉妹で営業している
日々のストーリー。

独特なメンバーがなぜか揃う
アットホームなお店の
実話を元に作製。

本編は私的主観であり、事実とは異なることを含んでおり、店名、人物名、団体名は仮名としています。


〜月曜日の取り扱い説明書〜

仕事終わりの最寄りの駅を出て正面にある
商店街に入ると、
夜はシャッターがほとんど閉まっている。

商店街を少し歩くと
タクシーが横切る十字路に出る。
角には
ガラス張りになっていて
中が見える立ち飲み屋や居酒屋がある。
スーツの人や作業服の人が
チラホラ。

そこを右に見るとパチンコ店が並ぶ。

左に見ると
黒服のお兄さんや私服のお兄さんやおじさんが
ポツポツいる。
まぁ、今日は雨降りの月曜日なので
人はかなり少ない。
黒服の人の方が明らかに多い。
時間的にもまだ20時前なので
黒服街の時間はまだまだ今からだけど。

左に曲がって、
キラキラしてるような
殺伐としているような
黒服街を進むと
公園がある。

待ち合わせや昼間のイベントによく使われる
それなりの広さがある公園。
でも、ベンチの上に設置してある
屋根のようなものは
格子状になっていて、雨の日は
ベンチも人もビショビショになる。
雨宿りの意味なし。
2年前にキレイに公園を改装したはずなのに。

公園の道路を挟んで、
囲むように並んだビルは
スナックやラウンジ、BARなどの
飲食店が入っている。

この公園を中心?に
繁華街が広がっている。



『ようこそ、
member's 「coa」へ。』

公園からは30秒ほど歩くと
ビルの3階にあります。

ここは
ご紹介システムのmember'sです。

ですが、
金額設定は割と良心的と言われます。
なぜかとゆうと
スタッフが👩🏼私(30歳)と👧🏻妹(25歳)
2人で営業しているため、
店内はカウンター9席、ボックス席9名様
くらいの広さですが
基本、2人でやっています。
そこで、2人しかいないことから料金はわりと低めに。

申し遅れました。
わたくし、オーナー兼ママをしております
姉の「的野らら(まとの らら)」と申します
はい、源氏名です。

姉妹2人でスナックを始めるにあたり
自動的に姉の私が
ママになりました。


毎日、20時にOpenします。

そろそろ20時です。🕗

チリンっ

あ、

👩🏼👧🏻「いらっしゃいませ」( ´ ▽ ` )

だいたい月曜日の20時を狙って
いらっしゃるのは
常連さんの
👤「ジェン」さん。

キープのボトルは
フォアローゼスのブラック。

f:id:nanairo-38:20151030153223j:image

私的には、
昔、昆虫のアリを指で潰した時に
潰した指から臭ってくるような
ツーンと香りがくる
バーボン。
こちらは、水割りで。


👩🏼「こんばんわ、キープでいいですか?」

👤『今日はまだ一杯目だからビールで』

おしぼりを広げて両手で手渡す。
ジェンさんは丁寧におしぼりで両手を拭く。

面白い事に人それぞれ決まった席がある。
だいたい席が空いていると、指定席へ。
ジェンさんは
基本的にカウンターの端っこに座る。
トイレに近いカウンターの中から見て右の席。
先客がいる場合は反対側の端っこ。

見た目は20代後半から30代前半くらいに
見え、元々学生の頃は陸上部だったのもあり、
体は締まっている。
でも、実は40歳。独身。バツなし。
ストイックで独特なオーラを出す。

オーラの色は緑とピンク。

あ、実は私、霊感的なものがあり
オーラもみえたりします。

👧🏻「お待たせしましたー。」

妹の"ねね"はビール党なので、
生ビールを注がせたら絶妙な泡とビールのバランスが本当に美味しそうに注ぐ。

ジェンさんは生ビールを
グビグビとグラスの半分くらい飲むと、
グラスを置いた。

基本的に割と無口なので
こちらから話題をふる。

👩🏼「今日は電車で来られたんですか?」

👤「うん、最近ちょっとまた体を絞ろうかと思ってて、タクシーでくるより駅から少しでも歩こうと思って。料金も全然安く上がるし。
なんでわかった?」

👩🏼「傘と服が割と濡れていたので。
ジェンさんあまり傘のイメージも今までなかったので。笑」

👤「こわっ!! ららちゃんから言われると何か違う意味で見えたのかと思ってしまう。
フフッ」

ジェンさんは無口で少し表現が下手なので、
ちょっと冗談っぽいことを言おうとすると
マジっぽく聞こえることがある。

ここでは、"こわっ"の表現が
私を恐れているようでバカにしているようにもとれる大げさなリアクション。
でも、ジェンさんに悪気がないのはわかっている。


元々ご紹介していただいた最初の来店の時、
お会計の時にお釣りが足りなくて、
お釣りはいらないと一万円札を
置いてタクシーで、サッと帰られた。
怒っているような、微妙な空気があった。
ジェンさんを紹介してくれた
BARのオーナーさんにお詫びの連絡を入れると、
😎「ちょっと気難しい人だからねー。ごめんね。
今度また誘って一緒にいくから
預かってて!」
と言われたのですが、
私的に何か嫌だったのでお釣りを封筒に入れて、BARのオーナーさんのお店に行き
👩🏼「本当に申し訳ありません。こちらに
いらした時に渡して頂けませんか?
うちにもし、もういらっしゃられないつもりだとしたら、預かったままになるので。」
と、お願いしました。

すると次の日、さっそくジェンさんは
昨夜の出来事を少し怒った口調でBARのオーナーさんに話してきたようです。
👤「お釣りがないから、両替してくるので
少し待ってて下さいって。お店は2人しかいなくて他にもお客さんいるのに、は?って思って
すぐ帰ったよ。
お釣りがないってありえないだろ。」

そこで、BARのオーナーさんが
😎「ジェンさんが帰られた後すぐに、うちにコレを持ってきたんです。渡せなかったら申し訳ないので事ずけさせて下さいって。
それから、来店されたらお詫びだけ言わせてもらいたいので連絡くれと言われているのですが
連絡していいですか?」

と封筒を手渡して、
それを見たジェンさんは

👤「…連絡しなくていーよ。今から行くから。」

それを聞いたオーナーさんは

(おっ!コレは気に入ったなっ)

と思ったそうです。

それからジェンさんは
毎週月曜日のほぼ20時にいらっしゃいます。

ジェンさんが唯一心を開いているBARのオーナーさんに、ちょくちょく何処か良い所ないかな?とスナックやガールズバーの紹介を促しては、初来店で気に入らない所を指摘して、
なかなか足を運ぶお店がみつからなかったそうです。

オーナーさんがゆうには
😎「ちょっと気難しい人だから、他のお店は
ジェンさんが帰られた後、わざわざアクション起こすお店がなかったからね。
ららちゃんみたいにお釣りを持ってきたり連絡してくれって言ってくる事は、なかなかないからね。嬉しかったんじゃないかな。」
と、おっしゃって下さいました。


👤「あ、そういえば
今度のミスチルのツアーのチケットどうする?4枚とるか3枚とるか」

…きた。

私達は顔を見合わせて、

👩🏼「とりあえず、いつも取ってもらってばっかりで申し訳ないので、自分達で申し込んでみようと思ってて。」

👤「あ、そうなの?俺は全然かまわないんだけど。」

👩🏼「ありがとうございます。とりあえず
申し込んでみますね。もし当たったら他に行きたいって子がいるので、その時ジェンさんは別の方を誘ってもらって全然かまわないので。」

Mr.Children好きの私達姉妹はツアーの
チケットが当たる確実No. 1のジェンさんに
いつも同行させてもらっていた。

ジェンさんは元々浜崎あゆみのライブに
毎回行っており、
浜崎あゆみが好きな👧🏻ねねは2回ほど
ライブに連れて行ってもらっていた。

しかし、私達が
Mr.Childrenにハマりまくっていたのもあり、
あるときジェンさんが
チケットをプレゼントしてくれた。
抽選で当たったらしい。
そして3人で初のミスチルのライブに!!
全身からアドレナリンと涙と汗がでて、
ライブが終わってからも
席を最後の最後まで去ることが出来ないくらい
余韻に浸りまくっていた。

だけど、最近は心の底からMr.Childrenのライブが楽しめないとゆう気持ちが強くなってきていた私達。

なぜなら。

あるツアーの地元であるライブに
👧🏻ねねが行けなかった時があり、
当時ミスチルのライブが生きがいだった私達は、
名古屋ドームのツアー最終日のチケットを
幸運にも当て、お店のドアに"社員研修の為"と張り紙をし、2人で名古屋へ行き
全てのパワーを使い、また新しいパワーを注入して帰ってきた時があった。
あの日、今までいったミスチルのライブの中でも一番楽しめた。
叫び、歌い、踊り、泣き。。。

そこで私達は気づいてしまった。

2人で行った方が心から楽しめることに。