なな色のお話達

思いついたままに

〜世にも奇妙な物語のような夢②〜


…なんだ?

夢の中で夢をみたの?

物語のようだったし、リアルだったから、
鮮明に覚えていた。

不思議な夢を見たもんだ。

とりあえず、用意しないとネネとの待ち合わせが11時半。
身支度を済ませ、家を出る。

車に乗りエンジンをかける。
ギリギリにネネんちに着くかなーっと
思いながら、車を発進させようとした時
携帯が鳴る。

着信は親友の結奈だ。

…?
あれ?

この光景、見たことあるぞ。?
デシャブ?


サイドブレーキを引いて電話にでる。

👩🏼「…もしもーし?」

💁🏻「もしもし、らら?ちょっといい?」

あ、これは夢でみた会話と一緒だ。

👩🏼「…ご、ごめん、結奈。今ちょっと。…
夕方電話するから。」

💁🏻「わかった。ごめんね。」

元気のない結奈の声。
出かけにかかってきた電話。

夢と、同じだ。

正夢だったのかな。?

今の私はキツネに抓まれたような顔をしているだろう。
しかし、浸っている時間はない。
あ、急がなきゃっ。
車を発進させる。

信号待ちをしていたら、角のコンビニの駐車場からこっちに手を振って走ってくる人がいる。

🙋「ららー!」

手を振っていたのは全職場の同期の
ともねぇ。

…。まただ。
これも一緒。
今朝見た夢だ。
どうゆうこと?こんなことがあるなんて。

プップーッ!!

後ろからクラクションを鳴らされた。
信号が青に変わっていた。

慌ててハンドルをキリ、コンビニの駐車場に入る。

🙋「ごめんね!らら!車ですぐわかったよ!
あ、ちょっと聞いてくれる?」

👩🏼「ごめん、ともねぇ。…今日電話するよ。
ちょっと何時になるかわからないけど、
連絡入れるよ。

ともねぇに手を振り駐車場を出る。

1度ならまだしも、ともねぇのことも同じ。

たまたまかもしれないけど、そうだとしたら
やっぱり正夢だ。

こんなにリアルに同じことが起こるなんて
不思議でしょうがなかった。
だけど、少し怖いようなワクワクするような
変な感覚だった。

ネネのマンションについた時は10分遅れていたが、正夢だったらネネは怒ってはいない。
携帯にワン切りをする。
マンションから出てきたネネの機嫌はよかった。

ネネを乗せて近くの大型ショッピングモールに向かう。

👧🏻「今日は買わなくちゃいけないものがいっぱいあるから、申し訳ないけど、とことん付き合ってね!」

でしょうね。

そのセリフ、夢の中でも聞きました。

…?まてよ!

ということは、駐車場の空いている場所がわかるぞ!!

これが正夢なら駐車場をグルグル探さなくても、止めた場所に行けばいんだ。

敷地内に入ると迷わず、一目散にさっきの夢で止めた場所へ向かう。

あれ?

空いていない。

正夢もここまでか。
流石に都合よく駐車場が空いているわけないか。

しかし、ギッシリ詰まった駐車場は開く気配もない。

戻ってまた探すのも面倒くさいなぁー。

と思っていると、店の中から買い物袋をさげて親子が出てきた。
おっ、これは待っていたら何処かが空くかもしれない。
その親子は前から歩いてきて、
止めたかった場所に止めてある車に乗り込んだ。

👧🏻「ラッキー!ねーちゃん、すごい!!
ドンピシャリで当たり!!予知夢でもみたの!?笑」

車はすぐに発進して本当にタイミングよく
その場所が空いた。

おいおい、本当に?

こんな予知夢あったら無駄な時間過ごさなくて
すむじゃん!

車のエンジンを止めて車から降りる。

店の入り口に向かって歩いて行くと、
店から出てきた女性2人に見覚えがある。

カナとミサだ。

そうだった。

👭「あ、らら!買い物?」

👧🏻「こんにちわ。」

👭「こんにちわ!妹よね?綺麗になったねー!
あ、そうそう、らら。実はさ、聞いてくれる?」

👩🏼「ご、ごめん、急いでるからまたね!
あ!電話するよ!」

私はその時、思い出した。

次に起こることを。

だけど、さっきのは夢。

これは現実。

あの、変な男が現れるわけがない。

👧🏻「ねーちゃん?大丈夫?顔色悪いよ?」

👩🏼「あ、うん、大丈夫!いこっ」

カナとミサに別れを告げて、入り口に向かって歩く。でも、どうしても気になったから、
後ろを振り向いた。

誰もいない。
カナとミサの後ろ姿が遠くになる。

お店の前の自動ドアの前に立つ。
その時、手首を掴まれた。

ドキッとしてゆっくり振り返る。

🌝「お時間です」

同じ男だ。

その男はまた私の手を引き、すごい勢いで空を飛ぶ。
空?というより時空を超えているようだ。
またドアが現れる。ドアというドアを突き抜ける。

そしてまた、思い出した。

もしかして!!

男に声をかけようとするが、風の勢いで
口も目もハッキリ開けられない。

スピードダウンしたかと思うとゆっくり
地に足がついた。

薄暗くダンボールが足元に置いてある。

やっぱり。

これまで、正夢になってしまった。

そして、私を殺すあなたは誰?

今度は顔をみよう。

顔をあげようとしたその時

「あなたが悪いんです。」

ブスッ。また刺された。

おい、
早いな。。。

泣きながら震えるその人をハッキリ見てやろうと思っても
薄暗いし、長い前髪が顔を覆っているようで
やっぱりちゃんと見えない。

まただ。

だけど、今度は本当に死ぬんだ。

正夢になるなら、逃げていればよかった。

最初の結奈からの着信で気付くべきだった。

でも、まさか…

意識が遠のく中で私は後悔していた。

頭がすっきりしない。

でもしょうがない。もう死んだんだ。

そう思った瞬間
ぼんやり見えたのは見慣れた天井。
普通に自宅のベッドの上。

枕元に置いていた携帯をみる。
11月8日10時23分。

ちょっと、夢と現実がごちゃまぜになっていた。

ネネに電話をしてみる。

👩🏼「もしもーし、おはよう。あのさ、
今日って買い物行く日だっけ?」

👧🏻「うん!11時半にお迎えよろしくね!」


…。


ネネと買い物に行く日だ。