なな色のお話達

思いついたままに

色の無い世界⑥


番人は言った。

「もしかして君、13才?」

息子を見てニヤっと笑った。

「はい。」

息子は落ち着いた口調で答えた。

息子の答えに番人は言った。
「よし、決定だな!

改めまして、僕はレインボードアのキーパーの
パルです。
この色の無い世界に色を取り戻す為に
必要なことがあります。

その為にはまず
13才であるキミが
このドアを開きレインボーの世界に住む
カラーの妖精を…」


「ちょちょちょっと、まって!!」

私は思わず口を挟んだ。

「パルさん?これはテレビの撮影か何かですか?
全く状況が読めないんですが。」

私の質問は間違っているだろうか。

息子と番人は私を見て、やれやれと
いわんばかりの顔をした。

「わかりました。息子さん?」

「はい。僕はコウです。」

「君はもう、なんとなくわかっているようだから
お母さんに説明します。
お母さん。
まず、ここまでコウくんを連れてきて下さり
ありがとうございます。

僕の役目が終わります。

レインボードアのキーパーは
各国や場所に存在しています。

しかし、ドアの前にくる少年が必要なんです。

レインボーが現れるのは一時的。

その間に見つけてたどりついてもらわないと
消えてしまう。

また次のレインボーが現れる時まで
このチャンスが繰り返される。

そして、なぜ少年をまっているのか。

それは
この色の無い世界に色を取り戻すためです。」

番人はスラスラと説明した。

私はただ聞いていた。

「そして、コウくん。
君は今からレッドのドアを開けてもらうよ。

ドアから中の世界に入れば、スタートだ。

まずはレッドの世界。
そこでレッドの妖精を連れて
次のオレンジのドアへ進む。

オレンジのドアはレッドの世界の奥にある。

各色の妖精が7人集まったら
最後のパープルの世界を出る。

レインボーの世界から出たら
オーロラという神様に出会えるはずだ。

あとは
オーロラに妖精達からお願いしてもらうんだ。

この世界に色を…と。」