その春風に吹かれて(仮題)⑵〜栞編〜
ー最後の一枚のあの葉っぱが 散った時に
私の命も散るー
私は17歳。
本当だったら高校に通って部活したり
今日のことや明日のことをツイートしたり
彼氏とデートしたり、友達とマックに行ったり
そんなことをして過ごしているのだろう。
それは完全に憧れだった。
両親や執事は詳しいことは教えてくれないが
私はずっとベッドの上にいる。物心ついた時から。
昔はそれが当たり前で、学校は
特別なことなのだと思った。
でもそれは逆で、私が特別だった。
病室の窓から木が見える。
昔、どこでそれを見たのか思い出せないが
病院の窓から見える木の葉が全部枯れてなくなったらその人の命も亡くなるっていうのがあった。
私もそうなのだとそれから意識したが
何度枯れてもまた新しい葉がつく。
私は生かされていた。
コンコンっ
カラカラカラ
「栞様、失礼いたします。」
執事は白髪のおじいちゃん、田所。
田所は優しくて何でも言うことを聞いてくれる。
「明日の外出届ですが、3時間だけ許可がおりました。車を用意いたしましたので昼食後
14時にお迎えに上がります。」
ニッコリ微笑んで言ってくれた。
私もニッコリ微笑んだ。