なな色のお話達

思いついたままに

〜世にも奇妙な物語のような夢〜


…ん?

目を開けると…倉庫??

薄暗くてあまりよく見えないが、
足元にはダンボールが沢山置いてある。

ん?

私の前に人が立っている。足元が見える。
視線を上に上げようとした時

「あなたが悪いんです」

と声が聞こえた。
瞬間、

ブスッ。
と鈍い音がした。

彼女は泣いていた。
私に突撃してきたと思ったら
すぐに離れた。

私の視線はまだ下を向いていたので
薄っすら見えたのは、両手で持ったナイフ。
血がついているかどうかは分からないが、
私がそのナイフで刺されたことは分かった。

泣いてる声がする。ナイフを持った両手が震えている。
だけど、誰なのかはわからない。

顔を見よう視線を上げようとした時
力が抜けて足から崩れた。

その場に倒れた私は、遠ざかる泣き声をきいて
知り合いだと思った。

だけど、もう力も入らないし
何も聞こえなくなったから、目をつむった。

不思議と、怖くもないし恨んだり疑問に思ったりした感情はなかった。
ただ、静かに

「あ、私、死んだんだ。」

と思った。

その瞬間、ハッと目を覚ました。
見慣れた天井。普通に自宅のベッドの上。

なんだ、夢か。
しかし、殺される夢なんて嫌な夢。

よく、不思議な夢をみる私は
夢を見るのが好きで寝る楽しみは、夢を見るたのしみでもある。

しかし、前に一度ピストルを向けられた夢を見たことはあったけど、殺される夢を見たのは初めてだった。

ちょっと目覚めが悪いけど、さて、用意するか。

今日は妹のネネと買い物に行くことになっている。

身支度を済ませ、家を出て車に乗る。
エンジンを掛けて出発しようとした時、
携帯が鳴る。着信は親友の結奈。
サイドブレーキを引いて電話にでる。

👩🏼「もしもーし?」

💁🏻「もしもし、らら、ちょっといい?」

👩🏼「ごめん、急ぐ?急ぎじゃなかったら、
今から出かけるから夕方掛け直してもいい?」

💁🏻「わかった。ごめんね。」

結奈の声は少し元気がなかったので気になったが、ネネとの約束の時間だったので
電話を切った。

再び、車を発進させる。

ネネのところまで車で15分くらい。

と、信号待ちしていたら角のコンビニの駐車場から手を振ってこっちに走ってくる人がいる。

🙋「ららー!!」

手を振っていたのは、前職場の同期の
ともねぇ。

慌てて、コンビニの駐車場に入り込む。

👩🏼「びっくりしたぁー!笑
信号が青になる前でよかった。」

🙋「ごめん!ごめん!車ですぐわかったから!
あ、ちょっと聞いてくれる??!」

ともねぇのさっきまでの手を振っていた笑顔が消え、険しい顔になる。

👩🏼「ごめん、ともねぇ、今時間がないんだ。
時間が空いたら電話するね!」

深刻そうな顔だったから長くなりそうだし、
ちょっと聞くだけだと逆に中途半端で
嫌だな、と思った。

ともねぇに手を振り、コンビニの駐車場を出る。もうすでに約束の時間になろうとしている。やばい。
ネネは待たせると機嫌が悪くなるからなー。
とりあえず、ダッシュで向かう。
ネネのマンションの前に着くと、携帯にワンギリ。
急いだけど、やっぱり10分遅刻。
ギリギリに出たのもいけなかったな、と反省しながら待っていると、マンションから出てきたネネは機嫌が良かった。セーフ。

ネネを乗せ近くの大型ショッピングモールに向かう。

👧🏻「今日は買わなくちゃいけないものがいっぱいあるから、申し訳ないけど、とことん付き合ってね!」

もうすぐ友人の結婚式があるらしく、
色んな買い物があるようだ。

日曜日はさすがに駐車場がパンパン。
ぐるぐる回って、空いているところをやっと見つけた。

車を降りて入り口に向かって行くと、
中から出てきた2人組の女の人に見覚えがあった。

👩🏼「あ、カナとミサ!偶然ね!」

👭「あ、らら!本当ね!」

👧🏻「こんにちわ。」

👭「こんにちわ!妹よね?綺麗になったねー。
買い物?実はさ、聞いてくれる?!」

カナとミサは同級生。しかし、さっそくマシンガントークが始まりそうだったので、

👩🏼「ごめん、今日は急いでるから、また。」

今日はこのパターンが多いな。
聞いてあげたいけど、ネネとの買い物の約束だからな。
カナとミサに別れを告げてお店の中に入ろうと、自動ドアの前に立った時、後ろから誰かに手首を掴まれた。

振り返ると、そこには私の手首を掴んだまま、1人の男が立っていた。頭がオレンジと黄色のタマネギみたいな髪型で
ブルーのスーツを着ている。
顔はハーフっぽい30代半ばくらいの男性。
昔、SMAPの香取信吾が宝くじのCMでしていた格好と良く似ていた。
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もしくは「シルクドソレイユのクーザ」に出てくる人。
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男は私に微笑むと

🌝「お時間です」

と言って私の手を引いた。

は?!

と、思ったのもつかの間。

体が宙に浮き引っ張られる。空を飛んでいるような気もするが、すごい速さだ。その男の目の前に現れるのはドア。なんの躊躇もなくドアを突き抜ける。突き抜けた先にまたドアがある。
すごい速さで何個ものドアを通り抜ける。

どのくらいのドアを通り抜けたのかはわからない。何が何だかわからないまま、スピードが急にダウンし、止まった。

目を開けていたようで、ギュッとつむっていた。
意識がハッキリしないまま目を開け、辺りに目をやる。

男はいない。


あれ?

見たことのある場所だった。

薄暗く、足元にはダンボールが沢山置いてある。

前に人が立っている。

ハッと思い出した!

その時、
ブスっ
と鈍い音がした。

女の人が泣いている。

また、刺された…

意識が遠のく。

夢じゃなかったの?

訳がわからないまま

また私は死んだ。


どのくらいの時間がたったかはわからない。

しかし、また目が覚めた。
見慣れた天井。普通に自宅のベッドの上。

あれ?
また夢?今日は何日?

携帯をみると、
11月8日10時23分

ネネと買い物に行く日だ。